
“you”は日本語で何でしょう?
「あなた、君」
小学生でも答えられますね。
でも、日本語で日常的に「あなた、君」という言葉を使いますか?
“You go first.”
直訳すると「あなたが先に行きます。」
ニュアンスはその通りですが、全く自然でないこのフレーズを「訳」とは言いません。
「お先にどうぞ。」とするのが正しい訳です。
ことばと文化は密接に関係しています。
言語学において、日本語はハイコンテクスト、つまり察する文化ですが、英語はローコンテクスト、全てを言語化しなければ想いは伝わりません。
その差を理解した上で、ことばの後ろにある真意を伝えるのがスミスクラブのサービスです。
Let’s exercise!
「いただきます」「ごちそうさま」など、日本語には英語にはない表現がたくさんあります。
その中の一つ「よろしくお願いします」を英語ではどう表すのか、スミスクラブの訳をご紹介します。
NG例:Please treat me favorably.
複数のオンライン辞書で「よろしくお願いします」の対訳として出てきますが、これは自然ではありません。実際、英語圏での日常生活やビジネスで聞いたことがありません。
① 初対面
【日常】はじめまして、マリアです。よろしくお願いします。
Hi, this is Maria. Nice to meet you.
【ビジネス】今日はよろしくお願いします。
I look forward to working with you today.
② 何かをお願いするとき(Asking for help)
【日常(友達を紹介するとき)】
友達のマリアです。よろしくお願いします。
This is my friend Maria. Please look after her.
【ビジネス】
金曜日までに書類を用意してくれますか?よろしくお願いします。
Could you have the documents ready by Friday? (Thank you.)
③ あいさつ(Saying hello / Giving regards)
【日常】
お父さんによろしくね。
Please say hi to your dad for me.
【ビジネス】
何卒よろしくお願いします。
My best regards.
④ 引き続きよろしくお願いします(Continuing project)
ビジネスシーンでよく聞く「引き続きよろしくお願いします。」
最も訳者泣かせの「引き続きよろしくお願いします。」
プロジェクトの従事に感謝をしたり、仕事の苦労を労ったり、業務を頼む側が言うのか、遂行側が言うのかなどで、さまざまな表現にすることができます。
- Thank you.
- Please keep up the good work.
- Thank you for your continued hard work.
- (The project isn't over, but) let's keep working on this.
- (This is what I have so far.) I will continue working on this.
- (Send me what you have next, when you are finished.)
自然な表現であることは当たり前。
みなさまが伝えたい真意を汲み取っていかに相手に伝えるかが、訳者の腕とセンスの見せ所です。